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高額療養費制度と付加給付制度を理解し保険会社の医療保険を加入・見直しする際ご参考下さい

医療保険のご相談を受ける中で医療費が高額になった際に利用できる「高額療養費制度」と、加入している健康保険組合によっては適用される「付加給付制度」は、医療費負担を大きく軽減してくれる支援制度を知らないで保険会社から医療保険等を加入している方々が多いので情報発信したいと思います。これらの制度を理解し、適切に活用することで、万が一の医療費負担を抑えることができます。


1. 高額療養費制度とは?

高額療養費制度は、1か月間に支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合に、その超過分が払い戻される制度です。医療費が重なるときにはとても助かる制度ですが、利用にはいくつかの条件があります。まずは、その基本的な仕組みをみて下さい。

1.1 高額療養費制度の基本的な仕組み

高額療養費制度は、1か月あたりの医療費負担が自己負担限度額を超えた場合に、その超えた金額が健康保険から払い戻される制度です。限度額は年齢や所得区分によって異なりますが、70歳未満の場合で標準報酬月額28万円以下の所得区分では、自己負担限度額は約57,600円です。このため、1か月の医療費負担が57,600円を超えた場合、その差額が後から払い戻されます。

1.2 自己負担限度額の計算方法

限度額は年齢や所得区分によって異なり、以下のように定められています。全国健康保険協会 協会けんぽから一部抜粋。https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/

所得区分(標準報酬月額)自己負担限度額(70歳未満)
標準報酬月額83万円以上約252,600円
標準報酬月額53万〜83万円約167,400円
標準報酬月額28万〜53万円約80,100円
標準報酬月額28万円以下約57,600円

所得が多いほど自己負担限度額も高く設定されるため、収入に応じた医療費負担が求められることになります。


2. 高額療養費制度の適用例と注意点

高額療養費制度を利用する際には、医療機関の領収書や自己負担額が確認できる資料が必要です。また、適用例を理解することで、自分や家族が大きな医療費を必要としたときに適切に制度を活用できます。

2.1 適用例

例えば、医療費が50万円かかった場合、自己負担額が3割とすると患者が負担するのは15万円です。しかし、高額療養費制度により、限度額を超えた分が払い戻されるため、ご自身のご年収によって負担額は限度額の57,600円等に抑えられるケースがあり、超過した金額が返金されます。

2.2 注意点

高額療養費制度には、自己負担額が限度額に達するまでの期間が「1か月(暦月)」と定められています。つまり、1日から月末までの間の医療費のみが計算の対象です。また、複数の医療機関で受診した場合でも、医療費の合計額を基に計算されるため、1つの医療機関で限度額に達していない場合も払い戻しの対象になります。


3. 高額療養費制度の申請方法

高額療養費制度を利用するには、申請が必要です。ここでは、申請方法や手順について解説します。

3.1 申請方法

まず、治療を受けた後、支払った医療費の領収書を保管しておきます。領収書をもとに健康保険組合や協会けんぽに申請書を提出し、審査が完了したら指定口座に払い戻し金が振り込まれます。申請方法は保険組合ごとに異なる場合があるため、詳細は加入している健康保険の窓口に問い合わせるとよいでしょう。

3.2 限度額適用認定証の取得

長期的な治療や高額な医療費が予測される場合、「限度額適用認定証」を取得しておくことで、窓口での支払いが自己負担限度額に抑えられます。限度額適用認定証を提示することで、高額な医療費でも当月の自己負担額のみで済み、家計への負担が軽減されます。


4. 付加給付制度とは?

付加給付制度とは、健康保険組合によって提供される独自の給付制度です。高額療養費制度で負担する限度額のさらに一部がカバーされるため、医療費の負担がより少なくなります。

4.1 付加給付の仕組み

付加給付は健康保険組合が独自に提供しているため、制度の有無や給付額は組合ごとに異なります。たとえば、医療費が高額療養費の自己負担限度額を超えた場合、その超過分の自己負担額のさらに1割程度を組合が負担するケースもあります。付加給付が適用されると、1か月あたりの医療費負担が限度額をさらに下回るため、医療費が高額になりやすい治療や入院時には大変助かる制度です。

4.2 付加給付の対象と条件

付加給付が適用される条件は、健康保険組合ごとに異なります。お勤め先にHPに記載されていますので加入している健康保険組合の給付内容を確認しましょう。


5. 高額療養費制度と付加給付制度の利用時の注意点

高額療養費制度と付加給付制度を利用する際には、注意が必要なポイントもいくつかあります。これらのポイントを押さえておくことで、適切な給付を受けられ、スムーズに申請が進められます。

5.1 健康保険の種類や加入状況による違い

高額療養費制度は全国共通ですが、付加給付制度は各健康保険組合が独自に提供しているため、組合によって内容が異なります。組合ごとに給付の対象や上限が異なるため、加入している健康保険の詳細を事前に確認しておくことが重要です。

5.2 医療費負担額の把握と申請のタイミング

医療費が高額になる月があらかじめわかっている場合、限度額適用認定証を活用することで支払いを抑えられます。また、高額療養費制度や付加給付の申請には期限があるため、医療費を支払ったらできるだけ早めに申請手続きを行うようにしましょう。

5.3 領収書の保管

高額療養費制度や付加給付制度の申請には領収書が必要です。1か月単位で医療費を確認するため、病院ごとの領収書をしっかり保管しておくことが重要です。


6. 扶養に入っている場合、配偶者のご年収に注意

高額療養費制度と付加給付制度を利用する際には、注意が必要なポイントもいくつかあります。1つ付加給付ない場合の注意ポイントをお伝えします。

6.1 扶養内の場合、健康保険の高額療養費制度は配偶者の年収で決まる

担当させて頂いているお客様から報告を頂いた例です。妻が扶養範囲内で働いている場合、高額療養費で医療費も少なくて済むと思われる方もおりますが、扶養内で制度を活用する場合、配偶者の所得により高額療養費制度の上限額が決まります。ご家族で大病時に備えて保険会社から医療保険等を加入されている場合、検討される場合こちらの部分もご注意下さい。


まとめ:高額療養費制度と付加給付制度を最大限活用して医療費負担を軽減

高額療養費制度と付加給付制度は、医療費が高額になった場合の負担を大幅に軽減できる制度です。高額療養費制度により医療費の限度額が設けられ、さらに付加給付制度で追加の補助が受けられる場合、家計への負担が一層軽減されます。これらの制度を十分に理解し、利用方法や申請方法を把握しておくことで、万が一の医療費負担に備えられます。ご家庭の状況で気になる方は無料相談できますのでお気軽にお問合せ下さい。