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【2025年最新版】産休・育休制度改正 主な制度変更


主に出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金・残業免除の拡大を徹底解説|具体例付きでわかりやすく解説します


1. はじめに|2025年4月の育児関連制度の改正とは?

2025年4月1日から、子育て支援の強化を目的に、雇用保険・育児関連制度が大きく見直されました。
注目すべきは以下の3点です。

  • 出生後の育児参加を促す「出生後休業支援給付金」
  • 時短勤務中の収入減を補う「育児時短就業給付金」
  • 小学校就学前の子どもを持つ親への「残業免除の拡大」

これらを正しく理解し、活用することで、出産・育児後の生活が大きく変わります。


2. 出生後休業支援給付金とは?

▷ 制度概要

雇用保険の育児休業給付金に加えて、出産直後に育児休業を取得した場合、給与の13%分を追加支給する制度です。
もともと支給される「育児休業給付金(67%)」と合わせて、実質手取り10割相当になるよう補填されます。

▷ 支給条件と注意点

  • 被保険者本人が通算14日以上の育児休業を取得していること
  • 原則、配偶者も通算14日以上の育休を取得していること
     (ただし、配偶者が専業主婦(夫)や個人事業主などの場合は例外あり)

▷【具体例】

●例1:夫婦ともに育休を2週間以上取得したケース

  • 妻:出産後すぐに2ヶ月の育児休業取得
  • 夫:出生直後に3週間の育児休業取得
    → 両者とも要件を満たすため、夫婦それぞれに「出生後休業支援給付金」が支給される。

●例2:母は取得、父は専業主夫

→ 父は雇用保険未加入のため対象外だが、配偶者が対象外のため、母のみで受給可能


3. 育児時短就業給付金とは?

▷ 制度概要

育児のために1日6時間などの短時間勤務に変更した場合に、減額分の10%相当を支給する新制度です。

▷ 対象者と条件

  • 子どもが2歳になる前日まで
  • 雇用保険の被保険者
  • 休業前の賃金と比較して賃金が90%以下に減っている

▷ 支給額の計算方法

支給額 = 短縮勤務時の賃金 × 10%(※調整あり)
※賃金が90~100%の場合、支給額は圧縮され、100%超の場合は支給なし

▷【具体例】

●例:月給30万円 → 時短勤務で24万円に

→ 給付金は 24万円 × 10% = 2.4万円/月 支給

●例:賃金が休業前の92%にとどまった場合

→ 給付金は調整されて1万円前後に圧縮される可能性あり


4. 残業免除の対象拡大とは?

▷ 改正前の制度

  • 残業免除は妊娠・産後1年以内の女性労働者のみが対象だった
  • その他は、時短申請などで対応

▷ 改正後の制度(2025年4月〜)

  • 小学校就学前の子を育てるすべての労働者が対象に拡大
  • 性別問わず、残業拒否の権利が認められる
  • 請求すれば会社は残業命令できない

▷【具体例】

●例:共働きで4歳児を育てる会社員夫婦

→ どちらかが「残業免除請求」をすれば、会社はその人に残業を命じることができない


5. 各制度の申請方法とタイミング

制度名申請先タイミング必要書類
出生後休業支援給付金会社経由でハローワーク育休開始後すぐ休業開始申請書・賃金証明書 など
育児時短就業給付金会社経由でハローワーク時短勤務開始月ごとに出勤簿・給与明細など
残業免除会社(就業規則または労基法)任意のタイミングで可書面請求が原則

6. よくある勘違い・見落としポイント

  • 「出生後休業支援給付金」は夫婦ともに育休を取得しないと受けられないと思い込みがち → 一部例外あり
  • 育児時短就業給付金は時短勤務者全員が受けられるわけではない → 賃金条件に注意
  • 残業免除は**「配慮」ではなく「義務」になった** → 請求すれば断れない
  • ※お勤め先に確認する様にして下さい

7. まとめ|活用すれば家庭とキャリアの両立がしやすくなる

2025年の制度改正は、これまで以上に働く親の「選択肢の自由度」を広げる内容です。

✔ 出生後すぐにしっかり育休を取れば、手取り10割に近い収入を確保
✔ 育休明けに時短で働けば、減収の補填が可能
✔ 小さな子を育てている間、残業を断る法的権利を持てる

これらを正しく理解し、出産前から準備することで、子育てとキャリアの両立が現実的になります。またどの様なキャリアを歩むのか、どこまでお仕事を頑張ればご自身とご家族の夢を叶えられるのか。明確な目標を作る為にまずはライフプランの作成を行ってみて下さい。